ウンジャミなど琉球の香りを残す行事、伝説が特に多く、
最初に人が住んだといわれる集落。
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金色に輝く稲穂、 山間に広がる田名ならではの風景
田名の田んぼと朝霧
伊平屋島は稲作が盛んな島。特に田名集落では沖縄の離島では珍しく田園風景が広がる。
5月初旬から梅雨時季にかけては朝霧が発生し、島全体が呼吸しているかのよう。高台から見下ろすとまるで雲海のようにみえる。
久葉山とスーガハマ
神木とされる久葉(ビロウ)ばかりが生い茂る久葉山は昔から島の人々の拝所。
近くにはスーガハマまたはウフドウヌハマと呼ばれる美しいビーチがある。リーフ内が天然のプールになっており、小さな子供でも安心して遊べる。
田名神社とウンジャミ
坂を上り、田名集落の一番上を目指すと田名神社が見える。
神社に隣接する神アシアゲ、ノロ殿内は、「ウンジャミ」などの神行事に欠かせない場所。ウンジャミは旧暦の7月17日に行われる海神祭。
トゥントゥクー
漢字表記は「土帝君」。
土地の神様であるが、農耕社会においては集落の守護神であると同時に豊作祈願の対象ともなった。田名集落の田んぼを見渡せる小高い場所にあり、田植えの時季である旧暦の2月2日に拝みをして長い間雨が降らなければ雨乞いをする。
中の川の側に作った蛇口
田名集落の中央を流れる小さな川が中の川。その川の側に蛇口が取り付けられ、田名神社近くのシンジャガー(井戸)の水が出るようになっている。かつて田名集落の住民でお金を出し合い引いてきたというその水は、今でもお茶や料理などに日常的に使われている。
ウンジャミはぜひやらないといけない行事。不安や心配はなかったよ
くによし さねやす
国吉 真安さん
田名集落の神主を務め、全ての神行事を取り仕切る。好きなものは白米とヘチマ
田名集落の神行事全般を取り仕切る神主である国吉真安さんにとって、神行事は暮らしの一部だ。
神主を誰に任せるかは集落の人たちの推薦で決まる。
特に「ウンジャミ」は田名集落で受け継がれてきた大切な神行事のひとつ。
「昔、喜界島(※1)からのノロ(神女)が沖縄本島に行く途中に時化にあって、
こっち(伊平屋島)に避難になったんですよね。
で、時化がおさまって喜界島へお帰りになるノロたちを(伊平屋のノロたちが)見送ったのがウンジャミの始まりなんですよね」と、語る国吉さんは「ウンジャミはぜひやらないといけない行事。不安や心配はなかったよ」としなやかにその役目を受け入れ、神主らしくどっしりと構えている。
毎月、旧暦の一日と一五日に田名神社にお茶とご馳走を供えるのも神主の役目。お茶を沸かす時はシンジャガー(※2)の水を使う。
「シンジャガーの水は今でも飲みますよ。お茶を沸かしてるのは全部むこうの水。集落でホースをひっぱって(水を)出すんですよね。」
みんなでお金を出し合い、集落の中までひいてきたというシンジャガーの水は、お茶を沸かすときに使ったり、家畜の飲み水用に汲みに行く人もいる。
田名は伊平屋島の中でも稲作が盛んな地域。シンジャガーのように水が豊かなのもその所以だろう。
「トゥントゥクー(※3)は水の神様なんですよね。旧暦の二月二日にウートートー(※4)して、雨が長いこと降らんときに雨乞いをやるんですよね。」暮らしに密着した神行事は今も代々受け継がれている。
「以前はサトウキビ作りとか田んぼをやりおったんですけど、年でもう、無理なってね」というが、自宅前のアーテイ(※5)では国吉さん手作りの野菜が立派に育っている。
※1 児島県の奄美群島北東部に位置する島。
※2 田名神社近くの井戸。
※3 上記参照。
※4 沖縄では拝むことを「ウートートー」という。
※5 家庭菜園のこと。「アタイ」や「アタイグヮ」ともいう。
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